自由気ままな無意識さん
生まれたての赤ちゃんは無意識なのかなぁ、と君は思ったんだね
さて、人は生まれて、そして一体どの瞬間から、意識的になるんだろうかと
君はそんな風に思ったわけだよね
それは、君が意識というもののあまりの手強さに、いったいこれは、どうしてこんなにも、揺るがない強さをもっているのかと思ったからなんだね
産まれる前、母親の胎内にいたころ、当然だけど、そんな時は外の影響を受けていないはずだろうと
君は、そんな風に思っているわけなんだね
ただ、母親と胎児はとても深いつながりで結ばれているわけだからね、母親のローカルネットワークの真っただ中にいるといっても過言ではないかもしれないね
だからね、無意識の世界に存在していた魂が、命として、この世に芽生えた瞬間から、母親を介しての意識の影響を受けているんじゃないかと僕は思うんだよ
そしてね、そうやって考えるとね、それこそ、その人が生きている間中、ずっとずっと意識的なメッセージのシャワーを浴び続けているというわけなんだね
だからね、意識という厚い壁を突き破るのに、骨が折れるのもしかたないと言えるかもしれないね
そしてね、こうやって、無意識というものを知って、そして、無意識と繋がろうとしている最中にも、そんな意識のシャワーは、常に浴びせかけられているわけなんだよね
右を向いても左を向いても、意識のメッセージだらけなわけなんだからね
だからね、そんな状況であることを理解すればね、とんでもなく巨大なおもりをつけた状態で、君は前に進もうとしているんだよ
だけどね、無意識というのはとても不思議なものでね、そんな長い間、そして今現在も君をとらえて離さない意識というものから、どうやるのか、その方法は全くわからないのに、ある時フッと、その呪縛を取り去るのか、消し去ってしまうのか、よくわからないまま、君を解放するかもしれないんだ
それはいつなのか、まだ随分先なのか、それとも、案外間近に迫っているのか、それさえも分からないけれど
だけどね、無意識は気ままに、君のところへやってきて、君の様子を見計らって、そして、手際よく君の足についた鎖を外してしまうんだ
本当に、無意識は不思議で、そして自由なんだ