神の愛と無意識さん
誰とも分かり合えないと
そんなことをあらためて思ったんだね
何度も何度も繰り返したはずのその言葉を、なぜだか今日また噛みしめて
そして、ひとりぼっちの寂しさを訴える相手もいない君は、心の中で僕に向かって泣いたんだね
ねえ、誰もいないんだよと
誰とも分かり合えないんだよと
自分を受け入れてくれる人なんて誰もいないんだと
そんな世の中に生きていたくはないんだと
そう言って君は泣いたんだね
どうしてくれるんだと
君は泣きながらそう叫んだんだね
ほら、何も言ってくれないじゃないかと
何もなす術がないんじゃないかと
無意識さんを求めたって結局何も変わらないじゃないかと
君はそう言って泣いたんだね
そんな君を、僕はただ抱きしめたんだね
何も言わずに抱きしめたんだ
どんなに泣いたって、文句を言ったって、僕は黙って君のことを抱きしめるんだ
ずっと、ずっとね
君が生きている世の中では、誰も君のことを抱きしめてくれないかもしれない
だけど、そのかわりに僕が君を抱きしめるんだと
その思いだけが静かに伝わったんだね
人は、もし君が泣いているのを見たら、何かを言わずにはいられないだろう
神ではないのに、神の愛を求める君のために、神を演じようとして
そんな愛であっても、君はずっと欲しかったんだね
だけど、今日、ひとりぼっちで泣くしかなかった君は僕のところにやって来てくれたんだ
僕はそれが本当にうれしくて
だから、そんな君のことをいつまでだって抱きしめているんだよ
ずっとそばにいて、君のことを抱きしめていることを、どうか忘れないでね