「無理」について無意識さんに聞いてみた
僕は、まだ布団の中でまどろんでいる君に「無理しない」という言葉を投げかけたんだね
無理は禁物だよ、と
無理が君を苦しめる根源でもあると
それはね、別に君が悪いと言っているわけじゃないんだよ
それは、つまり、意識に従わないで、ということなんだ
だけど、君は、そんな僕の言葉を聞いて、生きていて、無理をしないでいられることなんて、ありはしないんだと
無理をしなければ、たぶん、一日だって生きていけないんじゃないかと訴えるわけなんだね
そうだね
君の人生は、まさに、そんな、無理の連続だったと言えるかもしれないね
だからね、君は、無理をしないで生きられるなんて信じられないと、そう思うのも、至極まっとうなことだと思うんだよ
他の人の頭の中は分からないよね
だからね、きっと、誰もがそうやって無理をしながら、なんとか日々を暮らしているはずだと
いや、そうでないなら一体どうするんだと
君は、また分からないと、頭を抱えてしまうんだね
僕はね、こうして君に伝えることしかできないんだけどね
無理などしなくても、ちゃんと生きていけるんだよと
そんな僕の言葉を聞いてもね、君は、やっぱりそんなことは信じられないと
ありえないと
そう思ってしまうわけなんだよね
そんな、気楽に生きられるなんて、そんなはずはないと
だって、世の中には、やりたくないことが目の前にこれでもかというほど並んでいて、それを避けて通ることなどできなくて、だから、どうしたって無理をしないと前に進めない、生きられないんだと
そう僕に訴えるわけなんだね
ただね、僕から言えるのは、無理をしなくてもちゃんと生きられるんだよ、ということだけなんだ
それはね、まあ、いつもここにかえってきてしまうんだけど、無意識に任せるということなんだよ
君がね、無理をしなければできない、と思っている全てのことはね、君が知らない間に、無意識が終わらせてくれるんだ
だけど、それをやるのは自分で、知らない間になんてことがあるだろうかと君は思いを馳せるんだね
ただね、人生でやらなければいけない全てのこと、と大看板をあげて話しているわけだけど、君はもうすでに日常の様々なことが、知らないうちに終わっていると、そんな体験をしているわけなんだね
その感覚は、とても不思議だと
そう思いながらも、君はそれを受け入れて、それに従って日々をすごしているというわけなんだね
だからね、僕が君に伝えたいのはね、それがね、きっとね、どんどん広がっていくんだよ、ということなんだよ
今はね、日常の、ごくごく身の回りの、ささいなことに対して、そういった体験をしているわけだけどね
君がね、あれは大変だ、とか、そんな状況になったらどうしよう、と思っていることについてもね、きっとね、同じような体験をしてね、あれ?どうして終わっているの?という感じて、すべてが知らないうちに過ぎていく
だけどね、その間、君が記憶を失っているわけじゃないんだよね
それを行っているということはちゃんと分かっていて、だけど、どこか自分じゃないような、頭の中が空っぽになっているような、そんな感覚で、その時間を過ごすわけなんだね
そしてね、終わっているそれを見て、君は、ただただ不思議だなぁと、そう思うだけなんだね
それでいいんだよと、僕は言いたいんだ
そのとき、君は無理とは無縁のところにいるんだ
だからね、少しは僕の言うことも信じてもらえるかな
無理なんてね、しなくても大丈夫なんだよということを