優しさと支配と無意識さん
優しくできた時、快感を感じるということについて
これはいったいどういうことなんだろうと
どういう意味なんだろうと
君は僕に尋ねたんだね
もちろん、君がこれは優しさだと思っていることが、必ずしも相手にとって好ましいこととは限らないわけなんだけどね
ただ、そんな風に、相手の気持ちというのは考えないで、ただ自分本位に優しさというものを考えた場合のお話なんだね
なぜ君は優しくしてしまうんだろうと
優しくしてしまうし、常に優しくしようと心をくだいてしまうんだと
それは、別に君が優しい人であると
優れているという意味で「優しい人」であるということではないんだね
それよりむしろ、優しいということについて脅迫的でさえあると
優しいということが君にとってはマストであると
それはなんだかおかしなことだと
そして、優しくできたと感じた時に感じる快感というものに気づいたというわけなんだね
快感というワードを僕から受け取った時、君はあることを思い出したんだね
それは、つまり支配であると
大嶋先生のお話では、恐怖と共に快感を感じてしまう時、そこには支配があるということだったね
君が焦燥感とともに優しさを発揮すると快楽を感じるシステム
それはやはり支配だったのだと
やっぱりかと
そして、またなのかと
君はため息をついたんだね
そして、さらにそこから進んで、優しさを手放すということについて思いを馳せたんだね
するとどうだろう
君のことを激しい恐怖が襲ったんだね
それなしでは生きられない
それが無くては誰からも愛されないと
そんな風に思ってしまうほどの激しいものだったんだね
つまりそれがないならば君は孤独になるんだと
そして孤独とは死を意味するんだと
そんな激しいもの
支配というもののすさまじさを、君はあらためて思い知ったんだね
だけど、今は気づくだけでいいのかもしれないと
それを続けていくことが未来へ続く道なのだと
そんな風に思ったんだね