無意識さんの一体感・その1
今、この瞬間、誰かがどこかで、行っていること
君は、それを、何でか分からないけど、自分の一部、いや、つながりというもの、いや、そもそもそれはひとつのものであるんだと感じているわけなんだね
だから、今君がこうしてこの文章を書いている最中であっても、例えばテレビの中の遠い異国で漁をしている人を見た時に、その人と自分の間につながりを感じているんだね
その人がその場所にいて、漁をしていること、そして君がそこにいて、日々の生活を送っていること
そのどちらもが、そのまま、あるがままで、他に選びようがなくて、理由などなく、そうあるということ
そして、それは、その人と君、という限定されたものではなくて、すべてがそうであると、そう感じているんだね
僕が君の感じていることを、こんな風にすらすらと言葉にしてしまうと、君はそれはそうだけど、それだけじゃないんだと、そうも思うわけなんだね
そんな不思議な一体感
すべては一つで、アメーバのように自由自在なそれは、ふわふわとどこにでも漂っていて、そしてそれは一つであるがゆえに、つながっている
そうであるなら、何も恐れることはないはずなのに、君はまだ、そういった一体感と、交互に訪れる苦痛に苦しめられているわけなんだね
そしてね、そんな一体感を感じて、安堵した時、君はあらゆるものに執着がなくなり、すべてを手放し、完全に流れに身をまかせてしまうような、そんな予感がしているわけなんだね
だけど、君はそれはまだ、やっぱりなにか怖いんだと
そうなったら、自分はどうなってしまうんだろうかとね
だけどね、そう言いながらもね、時々ね、自分というものにこだわるということに興味がなくなっているとも感じるんだね
自分が何かをやるということと、自分以外の人がそれをやるということに、あまり違いを感じなくなっているというわけなんだね
自分は自分がやれることをやれば、それで十分じゃないのかと
なにも無理をする必要なんてないんだと
さらには、自分以外の人がそれをやってくれているということは、自分がそれをやっているということのように感じるんだと
これは、まったくおかしな考えだと、君は自分の中に湧いてくるその感情について、思ってはみるものの、それは勝手に湧いてきて、しかもなぜかとても自然なことのように感じられるんだね
自分というものが、どんどん薄れて、全体の一部であると、すべての中に含まれているんだと、そんな途方もない感覚が何度も何度も君の心を占めていくことに、戸惑いながらも、自分ではどうしようもなくて、ただそれを眺め、そして感じているというわけなんだね
つづく