本当の悪者と無意識さん
そうだね、たとえそれがどんなにそのことから遠いことだとしても、つまるところは、やはり支配なんだと
僕はそんなことを君に伝えたんだね
子どもたちとの関係で、君はひどく悲しい思いをしていたんだね
彼らの愛して欲しいという訴えは、最初こそ彼らそのものから発せられたものだと思っていたのに、今日またその言葉を聞き続けているうちに、何だかその内容は夫が発するものの様に思えて来たんだね
それは夫から自分に向けて発せられた訴えだと
そんな風に思ったんだね
そして、その不快感を味わううちに君は何だか不思議な気持ちになったんだね
なんだか、こういうことは前にもあったような気がすると
そして、直接的ではなくても、こういった不快感というものはやはり全ては支配からやってくるのではないかと
そんな気づきがあったんだね
そして、支配ということであれば、やはり母親であると
いや、母親という存在を通しての支配なんだと
母親というものさえも、支配というシステムのパーツであるだけなのだと
そんな風にも思うんだね
誰も本当の悪者などいないんだと
全ては支配というシステムに従って動いているだけなんだと
もしそうなら、こんな風に不快感を感じたことに対する怒りは一体誰に向ければいいのかと
君はそんな風に思うんだね
だからこそ、全ては無だと
そこに帰っていくんだと
僕のそんな言葉を聞いて、君は考え込んでしまったわけなんだけどね
これは、少し時間がかかりそうだと
このお話は、大変そうだと
だけど、これしかないかもしれないと
そう思えたならどんなに素敵だろうと
そんな風に思うんだね