「限界」について無意識さんに聞いてみた・その1
君はね、大体の場合、最悪のことを想定して、そうならないように何らかの策を講じて、最悪のこと、つまり、その人の限界というところを見ることがないように必死で頑張ってしまうわけだね。
そこで僕が、その人の限界を見てみたいと思わないかい?と君に話しかけたんだ。
そこで、思いもよらない僕の言葉に君はギョッとして、でも、あれ?と思いを馳せたんだよね。
そう言われてみれば、その人の限界というものは見たことがないかもしれないと。
それはその人自身のことなんだけれど、そばにいる君はいつも先回りしてその人が限界に達するのを阻止してきた。
まあ、世間的には献身的と言えるその行動のせいで、君はその人の限界を見ていないことになる。
それはね、こういったら君は気分を損ねてしまうかもしれないけどね、その人の無意識を信じることが難しいと思っているとも言えるんだよね。
だからね、僕はね、ちょっといたずら心を起こして、君にあんな言葉を投げかけてみたんだよ。
でもね、君はねその言葉を聞いて一度は驚いたものの、ああ、それは面白かもしれないと思ったんだよね。むしろ、それがその人の本来の姿なんじゃないかなんてね。
つづく