異端であることと無意識さん
君という存在について、お話したいんだね
というのも、このところ君は、とどのつまり、自分はいったい何を恐れているのかと
そんなことを考えていたんだね
それはもちろん支配という言うものではあるんだけどね
だけど、それを辿って行けば、それは家というものに辿り着くんだと
僕との会話の中で、君はそういったことを感じていったんだね
そして、それならば、それはやっぱりいばらの道であると
そんなことを思ったんだね
なぜなら、この世の中は、家というものを軸にして成り立っているからなんだね
けれども君は、そんな家というものから脱出したいと
そうでなければ支配というものから自由になれないのだと
そうなると、君の進む道というのは苦難の連続かもしれないと
そんなことを思うと、この道を進むことについて今一度考えたいと
そんなことを思ったんだね
だけども、支配というものにずっと苦しめられて、そして今ではそのシステムを知ることになったんだね
それなのに今から、またそのシステムの中に入って行けるのだろうかと
君は自問自答したんだね
圧倒的に、この世の中は支配の中にあって、そこを自分一人が抜け出そうとするなんて、どう考えたって無謀だし、限りなく不可能に近い
そんな風に思うんだね
だけど、もう戻る場所はない
そんな風にも思うんだね
だから、やっぱり君は、今進んでいる道を進むしかないのかなと
そんな風に思ったんだね
そして、そんな君の存在について考えたんだね
親との縁を切り、兄弟との縁を切り、親族との縁を切っている君は、彼らからすれば異端の存在なんだね
そんな君のことを彼らがどう思っているのかは分からない
分からないものに対して人は変人というレッテルを貼るのかもしれない
だけど、君という存在はきっとそれだけのものではないだろうと
そんな風にも思うんだね
なぜなら、人間の作り上げて来た社会や世界というのは、きっとそんな風に変化してきたのだろうと
そんな風に思ったからなんだね
君は今、君と同じように、この世の中の普通と決別しようとしている人達と直接会うことはないけれど、そういう人達が現れることで、世の中には必ず変化が起きているんだと
そんな風に思うんだね
それはまったく目に見えない程の小さな変化であるし、今のスタンダードから外れるという意味で、決して肯定的に受け止められることがないせいで、むしろ社会の歪の様に扱われるだろうと
そんな風に思うんだね
だけど、きっと、そういったことが積み重なって、そしていつかそれが当たり前になって、新しい世の中が作られていくんだと
そんな風に思うんだね
今の君はまるで反逆児の様で、今の世の中ではとにかく居心地が悪くて仕方がないんだね
そんな君と同じように感じている人は、今はまだほんの一握りだけど、いつかきっとそう感じる人がもう少し増えて、そしていつか沢山になって、そしてさらにそう感じる人がほとんどになったなら
そしたら、人々は家という支配から解放されるんじゃないかと
そんな風に思うんだね
そんな世の中はどうなるのか、それは全く分からないけれど
おそらく人は違うステージに進むのではないかと思うんだね
そして、そこは支配のない自由な世界であるかもしれないと
そう思うんだね
そして、君の様な存在が、そういった自由な世界への道に繋がる架け橋になるのなら、今の苦しみも報われるような
そんな気がするんだね
そして、そんな世の中になったなら、君は君の姿のままで、胸を張って生きられるのではないかと
それならば、今というときを、そういう心持ちで過ごしてみたらどうだろうと
そう思うと君は晴れやかな気持ちになったんだね